06/03/2011

嘘つき

きみが目をそらしながら僕の質問に答えたふりをしているのに僕が気がつかないって思っているの? I love youって心から伝えたのに、思いのすべてを込めて伝えたのに、きみは簡単になんの感情も入れずに I love you なんて返してくる。 すがりつく思いでありったけの思いで抱きしめたのに、きみは僕をだきしめながら、遠くを見ている。 きみの心が離れて行くのを僕はただ見ているしかできないの? おかあさん。 わたしね、今日ね、先生に褒められたんだよ。上手に描けたねえ!って。ほら、ここの色がね、すごくきれいだね、って。 だけどね、それをね、お父さんに言いたかったのにね、帰って来たらすぐにTVをつけちゃったの。もう、わたしのほう、見てくれなかったの。でもね、褒められた事言ったの。そしたらね、「うん、うん」って。TVのほう見ながら。 私がね、側を離れてもね、気がつかなかった。 おかあさん。 おかあさんはね、褒めてくれるよね、きっとね。きっとすっごく喜んでうわー、えらいなー、おかあさん、この絵だいすきよお!って。でもね、きっとそうしたいのかもしれないけどね、今ね、心がいっぱいでね、忙しくてね、わたしの話しを聞く時間ないの知ってるの。いつも、ああそうよかったね、で、宿題はしたの?ほら、早くお部屋かたづけてね、って。ね。だからね、おかあさん、わたしね、だまってるね。じゃましないようにするね。でもね、おかあさん、ほんとは聞きたいの、わたし。 おかあさん、おとうさん、わたしのこと、好き?って。 あなたが今日帰りが遅くなった理由が聞けなかった。あなたが週末ゴルフのお仕事から帰ってきて、どうだった?って聞けなかった。夜中になっても帰って来なくて、電話をかけても留守番電話につながって、眠れなくて、ずっとずっと窓の外を見ながら帰りを待っていた。ずっと車が通るたびに、あ、帰って来た!?ってどきどきしながら。でも、そのどきどきは、あの頃のときめきのものではなくて、怖くて、不安で、張り裂けそうな心の音だってことにもう耐えられなくなってる。ねえ、ご飯はどうする?ねえ、こんど一緒にお出かけできる?映画行きたいな。ゆっくり一緒にお散歩したいな。だけどね、こっちを見ないで聞こえないふりをしているあなたを、わたしはいつまでつないでおけるのだろう。いつまでなにも聞かずにいれるのだろう。なにもなかったかのように、いつかあなたは戻ってくるの?それともこれを何度も何度も、ずっとずっと繰り返すの?。。。。泣いたら負けだよね。聞いたら負けだよね。だけど、ほんとうは、はっきりさせたい。 。。。誰と一緒に、いたの? あいつがあんなこと客先で言うからこんな面倒なことになっちゃったじゃないか。俺が結局頭下げに行かなくちゃならないじゃないか。え、呼ばれたよ、やっぱり。あ〜あ、俺、いつまでこんなことやってんだろ。頭ばっかり下げてさ、こんな奴の説教いつもだまって聞いてさ、若い連中の頭の悪さにはもううんざりだし。でもな、俺が会社辞めたらうちの子供達どうするよ、だしな。どこでどうやって食べてくんだよ。俺、そもそもしたいことなんてあったんだっけ?なんでこの会社入ったんだっけ?まず俺が所帯なんかもっていいのかよ。嫁さん、ぜんぜん朝起きて来ないしさ。俺、こんなに働いてんのにさ。笑顔で出迎えにももうこね〜しよ。俺、いったいなにやってんだ?誰のために働いてんだ?誰の為に毎日耐えてんだ?俺、いいのか、これで? いいにきまってるさ。こんな一応エリートで、旅行にも毎年行けて、嫁も一応外面はいいし、子供達もなんやかんや毎日元気だし。親もほっとしてるし。いいのさ、これで。うん。 にうつった自分。じっと見つめてみる。 嘘つきは、誰? Love, Thanks & Hugs, Setsu

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