10/31/2024
Setsuが「No, I Am Dolores」Poem Project に参加させていただきました!
この度主催者の方からご依頼を受け、Setsuが「No, I Am Dolores」Poem Project に参加させていただきました!
「No, I Am Dolores」Poem Projectとは?
米国ワシントン州シアトルにお住まいの、さまざまな賞を受賞されている素晴らしいジャーナリストYuko Kodamaさんとお嬢さんのMikaさんが、人権活動家としてアメリカで活躍されているマグダレノ・ローズ・アビラさんが2022年に書かれた詩「No, I Am Dolores」に感銘を受け企画されたプロジェクトです。マグダレノさんはこのプロジェクトのことを「Yuko Kodamaさんとお嬢さんのMikaさんが、30人の女性たちの声とともに、この詩に命を吹き込んだ」と表現されています。
Yukoさんはシアトルを拠点に30年以上に渡り、精力的に地元の人たちと交流し、容易に声が届かない方たちのところに直接足を運び、多様な国民の方々の現状や文化、社会問題などを世の中に明るみにだすことに情熱をもって活動されている、さまざまな賞を受賞されている素晴らしいジャーナリストです。
ドロレス・ウエルタさんとは?
アメリカで最も影響力のある労働活動家のひとりであり、メキシコ系アメリカ人の公民権運動の指導者でもあります。マイノリティとして女性として幼少期から心ない差別や組織化・制度化された差別を経験してきたドロレスさんは、女性や社会的弱者、移民、労働者の環境改善、自由と権利、公平、差別根絶、平和を訴え続けてきました。20年前には草の根レベルで人々を支援するドロレス・ウエルタ財団も設立され、94歳になる今も活動されています。
主催者のYukoさんとMikaさんがSetsuを指名してくださり、ドロレスさんの活動と功績に感銘を受けたひとりとして、”Si Se Puede!(Yes, we can! / Yes, it’s possible! / Yes, it can be done!)”というドロレスさんの言葉を30名の女性たちと子供たちと共に声にし、また、節からのドロレスさんへのボイスメッセージを送らせていただくという形でこの素晴らしいプロジェクトに参加させていただきました。
ぜひみなさんもこの詩を聴いてみてください。
詩は英語で朗読されています。
ここに日本語で紹介させていただいておりますので、ぜひ読んでみてください。
ドロレスさんが人生でされたご経験、勇敢な言動と功績を感じていただけます。
現状は変えることができると強く信じ、言動に移す勇敢さ、他人を思いやることの大切さ、その心から生まれる強さこそが「真の強さ」だと思いました。この世界で生きる者として、私たちひとりひとりが重要な存在であることを本当に理解し、自分たちのために、全体のために声をあげ行動すれば、必ず道が開けること、不可能に見えることも実現することができるということを教えてくれます。
詩
No, I Am Dolores
いいえ、私はドロレスです 。
いいえ、私はドロレスです。私は他の多くの女性と同じように、男性が女性よりも優れていると信じる社会に生まれ、有色人種が完全な市民とはみなされない世界に生まれた女性です。私は1930年4月10日、ドーソン・ニューメキシコに生まれました。
私の名前はドロレスといいます。6歳です。私の夢は月よりも大きいの。私はすべての子どもたちのために戦っています。この世界を変えるために、みんなに私の心の声に耳を聞いてほしかった。この世界を変える手助けができると思ったから、私の心の声に耳を傾けてほしかった。
いえいえ、私は骨の髄までフェミニストで、完全な平等を夢見るドロレスです。すべての少女たちに、自分たちがあらゆる面で平等であることを知ってほしい。そして、私たちのこの世界が、少女たちや女性を認め、尊重し、ともに前進していけるようにする必要があるんです。
私は夢を持ち続けます。私はドロレスです。私の子供たちも、多くの子供たちと同じように、成長する過程で多くの困難を抱えてきました。若者であることは簡単なことではありませんが、私はすべての若者の夢を守るために懸命に働いています。誰にとっても、セカンドチャンス、あるいはサードチャンスがあって当然なんです。彼らはどこにいても、毎日私たちのサポートを受けることができるべきなんです。
いいえ、私を見てください、私がドロレスです。私は高校の論文を誰かに書かせたと非難されました。彼らは、私が優れた文章を書けるという事実を受け入れられなかったんです。先生たちは、自分たちが読んでいるものが、私が書いたということを信じられなかったんです。そして、私は自分の活動の中のスピーチで、歴史を今でも表現し続けているということを、あのときの先生たちは知るべきなんです。
いいえ、聞いてください。私はイベントに参加するたびに、そこにいるすべての人たちに会いたいと思っている、ドロレスです。会って彼らの話を聞きたいし、私たちがこの世界をより良いものにしていくためには、彼らが私とともに、私たちとともに立ち上がる必要があることを知ってもらいたいんです。
いいえ、私はドロレス。チカーノ(メキシコ系アメリカ人)の戦士。すべてのチカーノ、そして私たちの声と行動を必要とするすべての人々の自由と正義のために困難をを受け入れます。
私はドロレス。私はボビー・ケネディのためにラテン系住民を有権者登録する初期の活動に参加し、彼が暗殺された夜、ステージに一緒に立っていました。私は有権者登録を続け、また彼らが立候補し、法律や政策変更・改定を進めるため、選挙で勝利するように力を尽くし、私たちの価値観を代表する候補者に投票するよう、皆に呼びかけたんです。
いえいえ、私はドロレスです。私の人生に大きな影響を与えた組織戦略の先駆者であり達人のフレッド・ロスさんから、集会のまとめ方を学んだ者です。彼の教えを受け、シーザー・チャベスと私はCSO(地域奉仕団体)を組織し、そこで私は貧しい人々の意識を変え、法律を変えるためのロビー活動を始めました。そして彼の教えは今もなお私たちを助け続けてくれています。
いいえ、私をみてください。私はドロレス、司法改革のために戦っています。私は、有色人種や貧困層をターゲットとした不公平な司法手続きの撤廃にむけて活動しています。そして死刑制度も必ず廃止する必要があることをわかっています。
いいえ、私はドロレスです。毎日まだまだたくさんのニュースをみなさんとシェアしたいと感じています。私たちを滅ぼそうとする人種差別や抑圧について世界に発信できる自分のラジオ番組があればと思うと同時に、努力と犠牲によって不可能を可能にしようとする女性や男性、若者にスポットライトを当てたいです。
いいえ、私はドロレスです。私は、歴史に残る「統一農場労働者組合」のセザール・チャベスと共にUFWを創設しました。私たちラテン系労働者は、ラリー・イティロンとフィリピン人農場労働者が始めたストライキに参加しました。私たちはブドウやレタスのボイコットを成功させ、労働者の生活を改善する契約を勝ち取ることで、農場労働者の力と消費者の力を示しました。
ちょっと待って、私はドロレスです。環境における正義のために戦っています。私は早くから、除草剤や農薬が農業従事者や土壌、そして消費者に与えるダメージについて知っていました。私は母なる自然とすべての生き物を守る法律のために戦っています。
自分が食べるものに注意して!私はドロレス。私は野菜を食べるのが大好きです。母なる大地が私たちに与えてくれるものだから。川沿いの森や素晴らしいオーガニック農場で、実にさまざまなものが自生しています。ベジタリアンとして、私はこの自然の薬が必要だと知っています。私たちの食生活を変えることで、世界中のすべての人が十分な量を食べることができるようになるのです。
あぁ!私はドロレスです。私は、先住民のルーツ、スウェットロッジ、太鼓を使った儀式、セージの煙やダンサンテス・アステカによる浄化に敬意を表します。私も彼らとともに踊り、すべての人が正義のために戦えるよう、四方の風に向かって祈りを捧げます。
もちろんよ!私はドロレスです。LGBTQコミュニティを守り、誰もが平等であることを知っています。彼らの権利を守ることは、私たちの権利を守ることでもあるのです。私はこれまで犠牲を払ってきました。家族も、友人も、健康も、すべてを犠牲にして、みんなのためにより良い未来を作る手助けをしてきました。
いいえ、これは本当に私です!私はドロレス。教師として、多くの生徒の心を開きたいと思っていました。私は生徒たちが成功するのを手伝うことができるとわかっていました。私はすべての生徒たちにとって良い先生になるとわかっていました。そして今、私は生徒や親たちだけでなく、教育者たちを鼓舞しなければならないのです。
私はドロレスです。読書が趣味です。毎日全部読みたい。ニュースも読みたい。事実も知りたいし、もちろんフィクションもたまにはいいです。読書は、私たちが生きていくために、水や酸素と同じくらい大切なものです。
なに?私がドロレスってことを知っているでしょ。私は芸術、詩人、芸術家、ダンサー、歌手、壁画家、音楽家、そして私たちを笑わせてくれるコメディアンの方々に感謝しています。笑いは私たちの精神を解放するんですよ。フルカラーの横断幕や旗を掲げた芸術的でカラフルな行進が大好きです。芸術は私たちに生命を与えてくれます。
はい、私はドロレスです。私は子供の頃、ダンサーになる夢を持っていました。音楽は私の心と体を動かし、私の体を試してみたかった。だから今、明日までずっと私と踊ってください。
はっきり言わせてください、私がドロレスです。音楽が大好きで、マリアッチ、ランチェーラ、ヒップホップ、ロックンロール、ラテン、カントリー、ソウル、ラップ、フォークが大好きです。そしていろんな言語で抗議するんですよ。だけど、夜も更けたらジャズね。ジャズは私のハートがほしいものを与えてくれるのよ。夢の中で深呼吸させてくれるのよ。
私がドロレスだってわからないの?私は平和活動家。私は非暴力を信じ、戦争という答えを認めない。戦争が残すダメージは、最後の爆弾や銃弾が使われた後も何年も人々を破壊し続けるの。平和っていうのはね、私たちみんなが受け入れて愛を広げていくライフスタイルのことなのよ。
私の写真を撮ってください。だって私がドロレスですから。私は自分の生涯をかけて、写真、ビデオ、歌、壁画、詩、ニュース記事で自分の夢や仕事を記録してきて、自由への闘いのアーカイブを後世に残してきたんです。次世代の人たちが私の冒険から学ぶことができて、さらにそれを超えていけるようにね。
そう、私がドロレスです。 「Si Se Puede!(私たちはできる! / やればできる!)」を声高に掲げるだけでなく、現実のものとしたいんです。今でも、そんなことはできないと言う人がいる。でも、そんな人たちに私は「Si Se Puede!(私たちはできる! / やればできる!)」と言いうんです。だけど、それを現実にするためには、時には信じられないような困難に立ち向かい、毎日決してあきらめずに努力することが必要なんです。
私はドロレスと言います。11人の子供を産みましたが、自由運動の創立者として毎日活動してきました。私は母であり、オーガナイザーであり、祖母でもあるんです。おそらく私は、フルタイムの組織を運営しながら最も多くの子供を産んだということでギネスブックに載るべきですね。
やっとみなさんは、私はドロレス・ウエルタ財団の創設者であり、私の家族や友人たちとともに、あらゆる有色人種の活動家の方々のための実践モデルを築いている者としてご理解いただけますね。自由と正義を求めるすべての人々にとって、私の精神と功績は、私がこの人生を終える時でも、時代を超えて長く残るでしょう。そして遥かかなたから、私はみんなにささやき続けますからね!「成せばなる!」「やればできる!」「私たちはできるんだ!」
そう!私がドロレス・ウエルタです!
このプロジェクトのWebサイト:https://www.magdaleno.org/no-i-am-dolores
*「No, I Am Dolores」を再生してください。朗読終盤13:31~ Setsuが “Si Se Puede!”とほかの参加者さんたちと声を共にしています。
*「Participant introductions and messages to Dolores Huerta」を再生してください。6:29~ Setsuからドロレスさんへのボイスメッセージをお聴きいただけます。